2018年3月27日火曜日

シリーズ「石膏でなんかする」 四角く流すぜ板枠編

 コップ状の円筒形、あるいは小さいものなら抜きテーパーさえ一方通行なら以前紹介したやり方で問題ありません。
 しかし世の中には四角いもの、長方形の平べったいものもあるんですよね。円板の上で作るんでは石膏の無駄が多すぎますよね。
 仕方ねえ、四角く作るか…なんてことになるはずです。

「決壊事故」つまり枠の隙間からだだ漏れしたり、最悪枠がパカンと外れて石膏大洪水!というのは、ほとんどの場合板枠を組んで流したときにおこります。

 私が修行してたところでは決壊事故を起こすとヒトデナシ扱いで例えグループのリーダー的な格の人でもお掃除当番させられた上に番付が幕下付け足しに下げられます(ウソです、実際は茶々、罵声にさらされた上にしばらくネタにされます)まあ、そのぐらいダサいこととされています。親方は「こぼした分だってタダじゃねえんだぞ!」なんつってメチャ怒ってましたが、本人はその昔馬鹿でかい複雑なの流し中にクランプすっ飛ばして大洪水起こした事故の犯人だそうですよ。

 ちなみに私の実家は公共インフラメインの型枠大工なんですが(道路高架とか橋とか地下共同溝とか)、この場合は事故死、もしくは切腹ですね(だからウソですよ。結果的に改易ぐらいです)

 とにかく、気を入れてやれよってことです。この石膏シリーズをやる気になったのはネット上でシミジミした情報ないなあ~ってことが理由ではあるんですが(俺だってもっといろいろ知りたいからね)、結構上手そうな人や中には本職のヤキモノ作家さんでも「マジか、そんな枠の留め方で?」って方もチラホラ見えるんですよね。まあできてりゃいいんだけどさ~、結構怖いよね~。

 とりあえず割型の切り方やコツなんかは次回以降に回して、とにかくまずは枠ですね。
 
 最大にして唯一のコツは実は一つです。

 枠は、きちんと作ってしっかりとめること。

 これだけです。

 テキトーな板を立てかけあって紐で結わえて周りに重いものでつっかえ棒のつもり、なんてことはしない方がいいですよ。現場でこんなことしてたら100%先輩の投げた煉瓦の半ペラが飛んできます。

 まず枠板ですが、板のつきあわせの矩が出ていないと必ず隙間が空きますし、ガッチリ止りません。可能な限り上手に切ってください。ある程度厚みがあったほうが何かといいです。(ベニヤ板なら9~12、パネコート推奨です。そもそも型枠用だから)
 







 技も道具もない人は、ホームセンターのカットを利用すればパネルソーで切ってくれるので建具屋グレードの精度が出るはず。カット代も高くないよ。

 えー、今すぐ必要なのに切り口グジャっちゃったの~、のび太君はしょうがないなあ~
 そんなときは適する厚みのEVAスポンジシートを木口に合わせて挟み込めばあらかた大丈夫ですよ!鋸目のガタガタ位殺してくれます。
 
この技は、石膏の膨張に悩まされる割型編でも役に立つぞ!

  EVAスポンジシートはダイソーで売ってました。1㎜、3㎜、5㎜だったかな?使い捨てだし安物でいいよね?名前知らない方でも物を見ればわかりますよ。


 枠の組み方は通常二種類です。
この二通りです。
 左側が基本。この場合正方形ですので、突合せの勝ち負けはどっちでもいいんですが、長短の差がある場合は、できるだけ長いほうが勝つように組みます。
 右側ならフレキシブルに底面の大きさを変えられます。これを長さ、巾(高さになる)サイズ別に数セット用意しとくと非常に便利です。(とかいって半端で使いづらい場合も多いんだけど・・・)

 また

 左は、同じものを何個も何個も作るときには考えてみてください。
 右は、平板状のを縦に流し込むパターンですね。

 どの場合も、底面用の板もあったほうが、枠板の浮き上がりを防げて、枠自体もしっかり止るので一石二鳥。板つくらなきゃ無い場合もったいないのでマイナス一鳥だけど。
 
枠は底板を挟むようにすること。

 

 固定はしっかりとめないと意味ないです。つまり、ハタガネなりクランプを必要十分に使う、大物の一回こっきりならネジ、釘でとめちゃう。とか。固定に関してはやりすぎかもぐらいでもいいんじゃないかと思います。


よく写ってないけど左のはニギニギするだけの楽々クランプおすすめ。
見えずらいけどハタガネも


Fクランプ


Cクランプ、安いけど懐が狭い


 道具が足りないとかで、どうしてもヒモで縛る必要のある時もあるかもしれませんが、その時はよく考えて。イヤミな言い方になっちゃいますけど、ギューッと絞って固結び、しかできない人はやめたほうがいいです。
 そういう場合は、ラチェットの荷締め帯か、強いゴムを使いましょう。自転車のブチルチューブとかトラックのシートを止めるゴムとかがいいですよ。縛り系固定の時は位置決めの桟木があったほうがいいです。
 長いクランプ高いもんね~。

 底枠を作らずに平面にベタ置きする場合は、重しが必要ですが、大きいと、特に高さがある場合はなかなか難しいんですよね。自分は、そういう場合は思い切って釘でぶっつけちゃってます。
 
 というわけで、土練り用の石膏板を作りました。
ちょうどだいたい400㎜角の古いコンパネが転がってたので(仕事板です)
ちょうど合うサイズに枠を切り出し。

釘で固定、離型剤は物置でこないだ見つけたカーワックス
ワックス良いよワックス!

 時間に追われるので撹拌~流し込み中の写真はありませんが・・・ 
 ちょっと盛り上がり気味ぐらいで流し込んだら4~5分後に一回目の面出し(スターマン歌いながら粘性が出るまで十分撹拌した方はそこまでじゃないと思いますが、もし気泡がシャバシャバたくさん出るようならプラハンマーで型枠の周りをとんとんとんとん叩いて気泡を浮かせます。型を直接ではなくて台板をたたくんですよ
 「長い直線を持つ硬い何か」で摺り切りにします。ヨーグルト状のダバダバがデローンっとこぼれるのでその対策もしておきましょう。新聞紙敷いとくとか。こうやって直にウッドデッキでやるとむちゃくちゃ怒られます。一応、直じゃないんだけどな~どうせウッドデッキだって誰もいないときに泣きながら俺が作るんでしょ。
 ここである程度やっておくのが大物の時のコツで、離型してからやろうと思うと案外大変で泣きを見ます。時間もったいない。


固まった~
右の600の鋼尺で面だし、枠を外して

 固まってからやるのは面をきれいに整えることと、バリ取り、出隅の面取り(台鉋でもペーパーでも)だけにしといたほうが楽ですよ。


面取りして完成
全部中古の板だったんで汚れてるけど土練り台だしまあいいや。



大体、40㎝×40㎝×5㎝で容積8000㏄=石膏8キロでした。

このぐらいになるとただ棒でかき混ぜてもダマ無くならないんですよね。

と、いうわけで、男の撹拌は手だから!





奥に攪拌機見えてるじゃねーか

 

 

 
 











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