2016年8月9日火曜日

焼成温度200℃オーバー! 陶器が沸騰!! カルメ焼きか! 

 一般の陶磁器用の土、私は使わない言葉ですが世間一般でいう「陶芸」用の土は、もっと温度を上げた場合どうなるのか、焼きすぎてブクが出ちゃったりの経験は多少ある方も多いと思うんですが、普通の焼成窯ではせいぜい1300度行くか行かないか程度ですよね。磁器磁器言ったって1450℃とかまで上げて真磁器作ってる作家の方はほとんどいないと思います。

 わたくし今回、本来1250℃で焼成するべきところを、プログラムの設定ミスで1480℃アルミナシリカ系耐火物の焼成温度で焼いてしまいました!
 その差なんと230℃!!
 オリンピック見るために早朝起きて確認しに来たら終わってるはずの窯が1480℃でキープ中!!一気に目が覚めちゃいましたよ!あわててカット!
 単にプログラムナンバーの選択ミスなんですけど、腑に落ちない!中村美里も負けちゃうわけだよ!銅メダルじゃおめでとうじゃねえよ!でもありがとう!最高の横四方でした!
 みたいな感じで一気に大混乱ですよ!今回は釉掛け後の本焼きだったので、炉内温度が下がるまで気が気じゃなくてもうヒーターとか炉床板逝っちゃってたらどうしようとかね。

 ファインの廃土を混ぜ込んであるとはいえ、マグネシア、シリカ、アルミナとバランスよく?混じりこんでますから、耐火温度が上がってるってことはあんまりないと思うんですよね。

 作陶されてる方も窯業学校出身でもない限り見たことないと思いますので、ここに恥を忍んで発表します。

この溶岩はいったい何?

自家製のツク棒にもくっついちゃった!

溶岩以外の何でもありませんな

ある種の作家が好みそうなマチエール?

棚板もツク棒もパーですが、表面数㎜しか侵されてません!!

これは一番温度が低い、埃よけの天板の上に置いたもの



 適正温度1250度の土を、1480℃で焼くとこうなります。
 ちなみにかけてあった釉薬は天目、飴釉、黄釉、白釉、柿釉ですが、もはやどれがどれとかよくわかりません。土は赤黒く焼きあがる土です。細かい坏土なので荒土だとまた違うかもしれませんが、多分大差ないと思います

 いずれにしろ棚板とツク棒が崩壊したり穴が開いちゃったりしてなくてよかったですよ。うちの場合当然自社製の耐火物使ってますし、ファイバーボードとC-1煉瓦以外の炉材もすべて自家製です。陶芸材料展で「ムライト棚板」って言ってるあれだったら融け落ちちゃうところでしたね。SiCかちゃんとしたムライト系(アルミナシリケート)なら、この程度は余裕で耐えてくれます。

 この焼成温度上げ過ぎて発泡させてしまうミスはこれで人生3回目。一度目は修行中。このときはシリカのるつぼを1500℃で焼いてホットケーキ状のものを20枚作成!
 二度目は独立後半年ぐらいたったころ。この時もアルミナのるつぼと一緒に同サイズのシリカるつぼを2本一緒に入れてしまい、「早く人間になりたい!」みたいな何かを作ってしまいました。

 
 昔、ある窯屋のおじさんが「うちは他所より焼成温度が高いから強いよ!」なんつってるのを聞いたことあるし、よく聞く言い回しだと思うんですが、そんなの土の都合ですから騙されないでくださいね! 

 
これ、何がこんなになっちゃったかっていうと・・・

これです。画像は素焼き時のもの。


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