2014年2月28日金曜日

年度末の納期について

毎年のことですがこの時期は、学校や研究所の年度末ですので3月末までに納品可能かどうかの問い合わせが多くなっています

通常、納期は受注後1か月で製作、納品しておりますので、来週いっぱいであれば急ぎ仕事で対応可能です。特にリピートものや既存の型を使えるものならば2週間から3週間で普段からお届けしていますのでこちらも問題ありません。

そのほか新規に型を作らなければならないような場合でも、変形のないルツボ(円筒型など)や、小物であればできる限りご希望に添えるようにしています。



無理な場合ももちろんあります。

1、型の製作に時間がかかる場合
 複雑形状の原型や打ち込みや加圧成形用の金型は金属加工屋さんにお願いしておりますのでその段階で2~3週間かかってしまう場合が多いです。

2、材料の取り寄せ等に時間がかかる場合
 個別の調合をする場合も多いのですが、その際常備していない原料が必要ですと取り寄せや手配に時間がかかってしまいます

3、何段階もの焼成を要する組立物などの場合
 
4、とにかく数がとんでもない

などは申し訳ありませんが短納期で納めることが難しくなっております。

以上を踏まえてご検討のほどよろしくお願いいたします

焼成前焼成後5

かなり隠れた人気?のショートマグカップ、取っ手付けの作業中
口元にくっつけて高さ方向に細い取っ手がはみ出る構造のため、やや面倒なうえに、乾燥収縮で切れやすい。うつ伏せにできなかったりしてハンドリング性も悪い!
なんでこんな構造にしたんだ!俺か…

乾燥と素焼きの間にちょっとした細工があります。

最後の1~2個は取っ手の位置と塗り分けの位置を変えてショートマグカップ2にしてみよう。と思ってます。

あんまり焼成前後の寸法差がわかりずらい角度で写ってますが、実際一般的な陶土に比べて収縮しないような調合にしています。


焼き上げ後の写真は古い物ですが以下…



これはまだ取っ手のRを一回り小さくする前のバージョンです。

2014年2月27日木曜日

新型の模索中

口元の切り込み

昔から好まれてる花形になるわけですが、これは作業自体が楽しいことに気が付きました。
割り付けのあたりだけつけたら、カッターナイフを使ってフリーハンドで切ります。

底の立ち上がり部分の変形
寸胴のマグカップですが「高台問題」にも抵触してきますな~。

これはグルグルしながら適当な棒っ切れでひっぱたきました。














いずれも加工の手順に気をつければもっとうまいことできそうです。

2014年2月26日水曜日

焼成待ち、窯詰中

仕上げが終わって焼成待合室へ

アルミナとジルコニアのルツボ。
このように少量でも承っております。というか多品種少量?になっております。
一個からでも見積、作製いたしますよ。

で、窯詰

これは素焼きの様子ですが…こんな感じ





2014年2月24日月曜日

土日の窯出し



マグネシアの多孔質るつぼ 35φ×25φ×高さ50

多孔質のルツボとしては小さ目
ラボ用のサイズですね














後はちょっとしたカップ


型打ちの小鉢も

白の貫入に黒いマット釉のパターンです

2014年2月21日金曜日

ジルコニア タンマン管型ルツボ 単結晶ルツボ

これも鋳込みウィーク?に作った製品
イットリア安定化の高純度ジルコニアです


これが生、
型の傷がそのまま出てます。


















焼成後の窯の中









































浅田真央は、ミッシェル・クワン、イリーナ・スルツカヤに肩を並べたと思いたい!
メダルの数こそ足りないけれどね。
女王にとってたかが五輪の結果など微々たる問題。
しかし悔しいだろうなあ

2014年2月20日木曜日

底の裏側 高台

器の接地面をどうするかというのはなかなか難しくて魅力的な部分です

パッと考えても高台なしのベタ底、広い高台、狭い高台、低い高台、高い高台、掘り込んだだけの高台・・・

意匠の問題を別にしても実務レベルで大変重要なタスクが課せられます。
普段るつぼを作っているので違和感が全くない、下手くそを際立たせない、という理由からベタ底が多かったりします。

高台問題をいろいろ考えるのは楽しいので好きです。たまに記事にしていけたら面白いかも、

特に凝ったものはありませんがいくつかご紹介

ベタ底二種


掘っただけ(この場合は胴回りと一緒の外径)



ノーマルタイプ?



アルミナるつぼ(蓋つき) 二種類 

蓋つきのアルミナるつぼが二種類


どちらもるつぼの見込側に凸部を落とし込むタイプの蓋です
るつぼの蓋にはほかに、かぶせるタイプの蓋、るつぼ口元の形に溝を掘った板状のものなどがあります。
それぞれ使い勝手の上で得手不得手、向き不向きがあるらしく、ユーザーの各研究者の方のチョイスが決まってくるようです。

このパターンの蓋は内容物のせり上がりに対して強い(特に超電導物質の時など)、るつぼ本体と同じ直径にできる、などの利点があるみたいです。

特に上の形は以前ジルコニアのるつぼも紹介しましたが、るつぼ本体の底部も蓋と同形状になっており、そのままお重に重ねて底に蓋の役割をさせることもできます。
また、成形型である石膏型を切り詰めてそこを作れるので、るつぼ本体の原型だけ作ればいいため型代の節約もできます(形にもよりますが)
一石三鳥ですが、内容物との反応や揮発による汚染などある場合は、二回目以降の組み合わせをそろえなきゃいけなかったりもしかすると寿命も短いかもしれませんので、その場合はマイナス一鳥かな?



写真のものの寸法はそれぞれ、20φ程度、10φ程度で、純度はアルミナの99.99です

2014年2月17日月曜日

アルミナ円錐型ルツボ 二種類

アルミナ4N(99.99%UP)の円錐型のルツボです
先週の鋳込みウィークからの製品



クスダマみたいな並べ方したくなりますね

また同じパターンで口元に切欠きをつけたもの


これも実験装置の種類に応じて(だと思います)何パターンも大きさ、角度、細工の仕方(切欠き、貫通孔等)があります。どう使ってるんでしょうか?

写真のものはどちらも直径で35㎜前後です。

2014年2月10日月曜日

俺釉プロジェクト 俺釉「ロマン30」の完成?

誰得のまま進んでる企画の続報です

というわけで、前回までの俺釉プロジェクトは!

1、基礎釉にモグラが掘り返した土を混ぜる
 結果、パッとしない

2、井戸が吐き出した砂鉄多めの砂(ロマン)を10%追加
 結果、やっぱりパッとしない

3、ロマンを30%に増やしてその分ガイロメを増やしてみよう

となっておりました。

先週、ロマン30%に増やし蛙目粘土粉末を6%添加したもののテストピースが焼けました
それがこれ

予想してたのと全然違ってました…
強烈な色味感はないんですがセミマットで軽めの褐色でした。セクシーさ?はないもののBUNAN(無難)釉薬としての条件は整ったかなと・・・
ピーンと来て鉄っ気の強い土の物に掛けてみました。(素焼きして気に入らなくてほっぽいといたカップですが・・・)
同じ調合で1L以上作り足して浸し掛けしたものです。
赤っぽく見えるとこは柿釉、緑の点はクロムを利用した緑釉。
緑っぽい薄茶色である種の武骨な青磁にこんな感じのものがありますよね?
ってぐらいにはなりました。
柿釉との境目は黒いラインが入って定番感のある組み合わせにもなりました。


なんか土の違いと写真の写り方で違うように見えますが同じ釉薬「ロマン30(笑)」です。

このピッチャー型マグカップの形と柄のデザインがどうとかはとりあえず置いておきますが、
そこらの土なり砂でも釉薬として何とかなるもんだというのがお分かり頂けましたか?
って誰に言ってるんでしょうか?

とりあえず新釉薬「ロマン30」の調合です
長石 40%
珪石 30%
石灰石 20%
カオリン 10%
以上を基礎釉に

モグラが掘り返した土 外10%
砂鉄多めの砂 外30%
蛙目粘土粉末 外6%

を添加すれば「ロマン30(笑)」になりました。

なんか面白かったので今後も思いついたらこの企画を続けていきます。




オリンピック

昨日子供ら(うちの子と近所の子)が小山を作って遊んでました。
今朝も朝から・・・
 スノーボードまで出してきてるし!
よくやるわ!


もっとでかいキッカーを作ってやりたい気持ちを抑えつつこれから仕事です

2014年2月7日金曜日

石膏型と鋳込み作業の必需品

石膏型ウィークも終了。
来週使う型を再確認。今週作ったものと既存のものとあります

もう一バッチ
他にも見せられないほど乾燥中のものがあります(笑

原料の調合も完了!となれば後はこの新譜

やっと今頃入手。

2014年2月6日木曜日

俺釉テストピース 失敗

先日の砂鉄ロマン10%テストピースの結果です



左が砂鉄ロマン、右が拾ってきた石の粉砕物。焼成温度は1240℃。
砂鉄ロマンが砂鉄ロマンのままゴミ化してますね。釉薬自体は褐色が増してますが細かい貫入が出てます。
添加量を増やし(30%までやってやろう)、また釉薬の粘性を上げて砂鉄ロマンがもっと均一に散るようにすること、で次段階を計画。現状止める選択肢はないので(笑

拾ってきた石は単味では溶けきってません。この上の温度帯は通常ルーチンですとシリカルツボなんかがそれに当たりますが(1280℃前後)、一緒には焼けませんし、一般陶磁器では私は使って無い温度帯です。
雪が積もったような質感を保ったまま!(けっこう綺麗なんです)。日用品としての使用に耐えられるような溶け方をこの温度帯でさせるための調合を考える必要ありですね。透明基礎釉をいくらか加えることからやってみよう。


ちなみに一枚目の写真奥の白いのは石膏型で、石膏流しの際に余った分を小物用に回して極力捨てる分を少なくします。
今ちょうど「年度末予算るつぼ大注文」の時期で今週は石膏型ウィーク、来週が鋳込みウィークです。

これがアップ画像

何からとった型かわかりますか?